売主様・買主様それぞれの気持ちに
寄り添う姿勢を何よりも大切に

売主様・買主様それぞれの気持ちに寄り添う姿勢を何よりも大切に
スムストック住宅販売士 2008年取得
小倉 弘司
セキスイハイム不動産株式会社 東京支店 千葉営業所 所長
(2018年1月現在)

「スムストック住宅販売士」が大切にしていること

賢い住まい選びの新しい選択肢として注目を集めている「スムストック」。「スムストック」とは日本の住まいづくりを牽引するハウスメーカー10社が所属する一般社団法人「優良ストック住宅推進協議会」が推進する次世代志向の住宅流通システムです。「スムストック住宅販売士」が既存住宅流通のプロであり、安心して長く住み続けられる優良な既存住宅を提案してくれます。

協議会が発足した2008年に「スムストック住宅販売士」の資格を取得し、現在は営業所の所長として後進の育成にも携わるなかで、スムストックの普及・発展に取り組んでいます。全国屈指のトップセールスを記録する小倉さんですが、日々進化を遂げる新しい住宅設備の機能、性能をより正確に査定するため、最新の知識や情報をアップデートし続ける努力はもちろん、売主様・買主様それぞれの気持ちに寄り添った姿勢を何よりも大切にしているそうです。

スムストックへの期待の高まりとともに求められる高度な知識

スムストックへの期待の高まりとともに求められる高度な知識

スムストックという言葉が雑誌やメディアで取り上げられるようになって、お客様から実際に質問をいただくようになったのは今から5年ほど前だったと記憶しています。最近は事前に勉強してから問い合わせしてくださるお客様も増え、「スムストック住宅販売士」の私たちに寄せられる期待も日に日に高まっているように感じます。

耐震性能はもちろん太陽光や蓄電池、空調に至るまで、この10年で建物の機能や性能は格段に向上しました。最新の知識や情報を常にアップデートしておかないと、お客様との会話が成立しないことも十分考えられますし、当社としても社内研修を設けるなど、スムストックの普及を目指してさまざまな取り組みを行っているところです。

以前、いわゆる一般的な中古物件を扱ったときのことですが、購入を検討しているお客様から「汚い」「買った後が心配…」「構造が分からない」といった不安の声を数多くいただいたことがありました。

その反面、スムストックとして認定される建物はいずれも構造駆体がしっかりしていて、点検履歴がデータベースとして残っていることが安心してお買い求めいただける重要なポイントだと思います。

また購入後の点検やアフターサービスについても継承されるので、一般の中古物件として売れなかった建物をスムストックとして査定し直し売り出した結果販売できたというケースも数多くございます。

スムストックの査定を通じてこれまでさまざまなお客様と出会いましたが、なかでも印象に残っているのは、地震の影響でご自宅の建物が傾いてしまったというお客様からの一本の電話でした。

急を要する雰囲気だったので取り急ぎ希望しているエリアと金額を伺ったところ、たまたま前日に査定していた物件と条件がぴったり合う偶然とも思える出来事でした。

まだ売却を決めていない段階ではあったのですが、オーナー様に事情を説明しご案内したところ、「ぜひ買いたい!」とお客様からすぐに連絡があり、迷われていたオーナー様もご売却をご決断いただき、ご成約となりました。まだ小学校低学年のお子さまがいらっしゃるご家族だったのですが、あと数ヵ月、数週間同じ家に住み続けていたら傾いて壊れていたかも知れないほどの状況だったので、スムースに住み替えていただいて良かったなと今でも当時のほっとした気持ちを覚えています。

60代半ばのオーナー様も、周囲には知られずに水面下で売ることができたと大変喜んでいただき、急なお話だったにもかかわらずお任せいただいたことに感謝しています。

査定を通じてオーナー様のこだわりや思いに触れる

スムストックへの期待の高まりとともに求められる高度な知識

これはそれぞれの会社の方針や営業の考え方によっても異なるかと思いますが、オーナー様が住んでいる状態でご覧いただくケースが私の場合は全体の7割くらいになっています。

オーナー様が共通して口にするのは、「高く売ってもらいたい」「丁寧に使ってくれる人を見つけてもらいたい」「まわりの方に知られたくない」の3点に集約されるのですが、特に「きれいに手入れをしてきた建物なので、同じように大事に使っていただける方に住んで欲しい」という声を9割以上の方からいただきます。

こだわりをもって建てられたオーナー様の思いは、営業の私たちが説明するよりも売主様から買主様へ直接伝えていただいたほうが伝わりやすいだろうと思っています。

他にも間取りの上手な使い方や動線、買い物はどこにどういったお店があるとかその地域ならではの情報も含めて、実際に生活をしてきたオーナー様でなければ分からない情報もあり大変助かっています。

それはまるで一緒にプレゼンをするチームのような感覚で、査定を通じてオーナー様がこだわりをもって建てた思い入れのある家というのを理解しているからこそ、「良い人に買ってもらいたい」と願う気持ちが強くなるのは自然なことかも知れませんね。

なかには売主様と買主様が意気投合して盛り上がるケースもあり、売主様と買主様がおたがいに顔を合わせて気持ちを通わせるのは良いことと感じています。過去にオーナー様のほうから「この人になら売っても良い!」と逆指名があったことも実際にありましたし、私もそこだけを強く意識しているわけではないのですが、ご購入を希望しているお客様の人柄を見てあえてご紹介する物件の判断をすることもあります。

「スムストック住宅販売士」として今後活躍する所員の育成において、「査定時点検をしっかり行いなさい」「売る方の気持ちになって査定して売りなさい」「買う方にはご購入後の不安を一掃してから買っていただきなさい」とごく普通のことを伝えて日々指導にあたっているのですが、不動産は単なるモノではなくお客様の気持ちが込められた思いの部分こそ大切だと思っているからです。お客様ひとり一人の心に寄り添える営業として今後もスムストックの普及に務めていきたいと思います。

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